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ルドルフ・シュタイナーと出口王仁三郎の符号

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二十世紀初頭、高次の神霊的世界を洞察する能力を持った秘儀参入者として知られるルドルフ・シュタイナー(1861―1925)。彼が、ドイツとスイスを拠点に『人智学』の普及に尽くしていた頃、日本においても後に巨人と称されることになる出口王仁三郎(1871―1948)が京都府綾部で大本の礎を築いていた。やがて戦争が世界に暗い影を落とそうとしていた時、シュタイナーは20世紀初頭に弥勒菩薩が地上に転生していることを告げ、この菩薩の特徴を数多く予見するのだが1925年に他界してしまう。その2年後の1928年、王仁三郎は高熊山修行からちょうど30年の修行を経て、弥勒下生を宣言、その後もシュタイナーの示した弥勒菩薩の特徴を顕してゆくことになる。さらに、彼らの示す『無花果』という言葉の霊的解釈によって、古代エジプトのオシリス信仰にはじまり、ゾロアスター教、マニ教、仏教、キリスト教、イスラム教、神道までもが関連する壮大な神の活動が明らかになり、そのすべてが出口直に神懸かりした謎多き『艮の金神』の存在に結びついてゆく。第三章では、豊富な資料を基に学術的な中庸を保ちつつ、客観的立場から彼ら二人の宗教哲理を分析、信仰や霊的認識がカルマと輪廻転生に与える影響の大きさを明かしている。また、この霊的法則性の認識こそが個々人の人倫や徳の在り方を変え、立法に依存せずとも社会を自然と理想的に構築する力があることを明確にしてゆく。そして、混迷を極める現代の政治・経済の問題は、「真の民主主義」ではなく「利己的民主主義」に端を発していると洞察し、その論点は教育や環境に及んでゆく。本書は、単なるシュタイナーや王仁三郎の符合の枠に納まらず、多様化する宗教の本質に迫る包括的宗教論といなりうる内容となっている。

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カテゴリー本・音楽・ゲーム > 本 > 人文/社会
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