趣味で古時計修理をしています。今回の出品は、明治30年代前期製造の12吋大型玉縁尾長です。地板から明治30年代の早い時期だったと思います。※大きさ比較の為、左に10吋中型平縁尾長、右に8吋小型三筋花星の写真を載せておきました。出品は12吋大型玉縁尾長だけです。10吋中型玉縁尾長だと思って購入したところ、12吋でした。文字盤裏と内部に五(もしくは九)号と書かれています。柳島工場の製造数か、時計師(小田氏)の製造数だと思います。どちらにしても製造数は極めて少なかったのだろうと思います。ムーブメントは希塩酸で錆を落とし、真鍮ブラシで磨き、ホゾ穴を小さくしゼンマイを磨いてあります。地板は捨て穴の数と位置から明治30年に使われた角カド地板です。数取り車は2番車の上にあり旧式、ガンギ車リベット止めは30年代の丸角です。ガンギ車は打ち抜き無し一枚板、24歯。(10吋は28歯)振り竿支点は地板の一番上。ラベルは褐色で文字を読み取れません。10吋中型玉縁尾長と同様です。文字盤は大正~昭和初期の丸型時計の文字盤に換えられ、トレードマークなどの位置バランス取れていません。しかし精工舎の古い文字盤なので、このまま使うことにしました。風防ガラスは換えられていますが、ゆらゆらガラスです。振り子窓ガラスはオリジナルでSEIKOSHA TOKIO JAPANとあります。ガラスは止められていなかったので、膠を使用して木片で止めました。ケースは木地を生かした拭き漆塗りです。汚れを重曹で洗浄しコンパウンドで磨き椿油で仕上げました。振り子窓周りは緩んでバラバラでしたから、組み直し膠で接着しました。吊り金具は明治30年代に使われた肩張2本止め。振り子を修理してあります。振り子はオリジナルだと思います。鍵はオリジナルか分かりませんが、似ています。縦約80.5cm、横約44.5cm。時代考証は「TIMEKEEPER古時計どっとコム」を参考にしました。説明に誤りがありましたらご容赦ください。1週間以上稼働します。購入後1年間、往復送料を負担していただければ修理いたします。
商品の情報