●製作年:1760-70年●1級直径:24cm高さ:4cm★シュヴェリンセルヴィス(後の呼び名)プロイセンのフリードリッヒ大王2世は、無類のフランス好きで知られていました。実際ヴォルテールとも親交があり一時期とても仲が良かったそうです。フランス文化にも造詣が深く、勤勉でドイツ語よりフランス語の方が堪能だったともいわれています。ですから、フリードリッヒ大王がマイセンに注文したセルヴィスの中で、フランス色が濃く反映されたものがあるのは、当然頷けます。アカデミズム期以降はアシエを中心として、フランス色が強くなると今まで何度も説明してきましたが、実際にはそのちょっと前から雰囲気は香り始めていたのです。1762年9月、大王は大規模なデザートセルヴィスをマイセンに注文します。淡いパープルを基調とした全体像で、花のガーランドで装飾されたボーダー、鏡に反射するかのように描かれた美しいカルトゥーシュ、そして何と言っても壮絶な技術が必要である「スケール文様」に目を奪われます。発祥は日本の青海波と言われていますが、見事に等間隔に鱗を表現し、一枚一枚にも色分けを施す…言葉を失います。翼をあしらった部分もさらに美しさを引き立たせています。(現代マイセンでスケール文様ができる職人は数人、施すと金額が跳ね上がります。)1762年11月にはさらに補填分として製作を依頼している事から、大王は相当気に入っていたのでしょう。今回出品の製作年代から補填分か、或いは倣って製作されたバージョンでしょう。一発目に製作された大王本人の所有物はスケール文様の間のコームパープルが、スパンドレルの金彩装飾となっています。プレートの形状について注文書には”feuille de chou”との記載があります。そう、セーブル”キャベツの葉パターン”を基に考案されました。形を見ただけで、すぐに「あ…セーブル…」となりますね。本家セーブルのキャベツ大型ボウルは出品していますので、併せて是非御覧になってみてください。…文字数が足りないのでここまでとします。当時使用されていたことによるカトラリー痕と中心部分の金彩が薄れていますが、ワレやカケ、修復の無い良いコンディションと思います。アインティークのマイセンの中でも一段格上のものを所有する一歩としてもお勧めです。是非ご検討ください。
商品の情報